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2009-12-25

『大停電の夜に』 あなたに、いいことがありますように!

こんばんは、ロッカリアです。
サンタさん、見つかりましたか?
今日はネタバレなので、まだ見てない人は読まないでね。

この映画は大人のためのファンタジー。若い人には少し理解できないかも知れません。
ジャズ、ジャズ・バー、レコード、キャンドル、ウッド・ベース、アメ車、衛星、ラジオ、酒、サンタをネット上で追跡、オイル・サーディン……。
これだけのアイテムが揃えば、必然的に面白くなるに決まってる。

クリスマス・イブの夜に、ゴッドと呼ばれる衛星の一部が東京近郊の発電所に墜落。関東一帯が停電に見舞われる。
真っ暗になった都市で活躍するのが、路地裏の小さなキャンドル・ショップと言うのは大いなるメタファーである。
その暗闇を照らすキャンドルは、人々の心の中にも暖かい灯をともして行く。

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日本版『ラブ・アクチュアリー』とも言われた本作ですが、こっちの方が映画的に良く出来ていて、なによりも個人的に好きな作品。
宇津井健と淡島千景。
吉川晃司と寺島しのぶ。
田口トモロヲと原田知世。
豊川悦司と昔の恋人。
井川遥と田口トモロヲ。
安部力と中国にいる彼女。
手術前の香椎由宇。

それぞれに決断の時が、この大停電によって導かれるのが面白い。そして、ジャズ・バー「フーリッシュ・ハート」に集う人々に、暖かい灯をともす役が田畑智子演じる叶のぞみ。逆から読むと、のぞみかなう(かのう)か、シャレている。香椎由宇と中学生で衛星マニアの本郷奏多は、最後まで他のメンバーと交わる事がなかったのは何故か?とあっちこっちの記事で読んだが、他のメンバーは全て愛すること、しかも彼女や奥さん、だんなや恋人、と言った対人間なのに、香椎由宇だけは自身のことについての決断だったから、交わる事が無かったんだと思う。
印象的なのは田端智子の役。キャンドルを売る時や火を点けるときに、必ず「あなたに、いいことがありますように!」と言っている。これはこの映画の中では天使の役じゃないか。
キャンドルに灯りをともす。それは人々の心に灯をともす、と言う比喩だ。
田口トモロヲの父が朝方ベッド横のミニ・クリスマス・ツリーに目を向けると、まだ普及していないはずの電気が、そのツリーに灯りがともす。これも病気が回復するのでは?と言う希望の灯のような気がする。
見つけた人もいるかも知れないが、サンタがラストに飛んでいく。このシーンは、原田知世と田口が朝方橋の上で会うシーン。「おかえり」と声を掛け合う二人の間を飛んでいる。プレデターのような透明になってはいるが見えている。
そもそもおかしい、違和感があった。
夜が明けると、さっきまで降っていた雪も積もっていなくて、雪雲も無く、風もないとても穏やかな空。二人の会話も何故か下から撮っている。(空が映り込むように)
最初雲かな?と見ていると、そいつはご丁寧にわざわざユーターンして二人の間を横切って行った。
信じられない人は、あのシーンの空に注目して見るといい。他の雲が静止しているのに、やたら早く飛んでくる雲があるから、何回かリピート再生してみると分かる。ああ、意図的な物だ、と言う事が。
その証拠に、直後のシーンで、電気が普及し始める。(サンタが去った後、と言うことね)
田端と豊川の会話では(と言うかネット上では)サンタは昨日の夜に日本に来た、と言って、「大停電がクリスマス・プレゼントかよ~」と言って終わるが、いつ去ったか、なんて事には触れていない。

もうひとつ触れたい事が。
それは、引きもしないウッド・ベースをいつもピカピカに磨いている、と言う事。
これは音楽をやっている人には理解できるだろうが、演奏から遠のいた人が楽器を磨く、と言う事はあんまりしない。それは忘れているからだ。しかしトヨエツ演じるベーシストは、磨く。
それはもちろん楽器、音楽を深く愛しているからだが、個人的には、どんな状況にあっても、心は腐っていない!と言うように見える。
ミュージシャンにとって、楽器は命だから。
この映画、深読みが出来る数少ない映画だと思う。楽しかった。

楽しかったと言えば、トヨエツがオイル・サーディンを焼いているシーン。映画に影響を受けやすい私は、さっそく彼の指示通りにやってみた。(普通はそのままでも十分美味しいのだが…)
「しょうゆを入れて、七味を入れると美味しい」

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確かに美味しい!これなら美食家の甚平さんも納得のはず。
皆さんも一度お試しあれ。クリスマス・イブにいわしのオイル漬け!

P.S

独り言。
「好きな映画を語るのは難しい。今日も書きたい事が半分も書けない。何故だろう……。
好きな人の前では緊張する、それに近いのかも知れないな……」(何言ってんだ、文章力が無いだけだろ!)
「そっか」




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2009-12-23

『大停電の夜に』 サンタがホントに飛んでいる!

こんばんは、ロッカリアです。
本日PM9:00から、NHK-BS2でオンエアします!
レビューは明日するとして、取り急ぎお知らせを。
冒頭のシーンに、カナダと北米の空軍がサンタクロースをパソコン上で追跡するシステムNORAD(ノード)と言うお遊び?は、実際に軍が指揮を取って運営していて、今年も、もうカウントダウンが始まってます。
サンタクロースを追跡したい人は、ココに行って楽しみましょう。→ http://www.noradsanta.org/jp/index.html
そして、この映画の中に、サンタクロースが飛んでいるのを発見しました。ヒントは、このサンタはプレデターのように透明です。これは、比喩的な表現じゃなくて、本当に飛んでいるのです!!!
分からなかった人は、明日ブログに書き込みますから、チェックして下さい。
それでは、また明日!

2009-12-23

『3時10分、決断のとき』 傑作西部劇、その条件は魂であると信じたい

こんばんは、ロッカリアです。
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルが共演して、その演技合戦が話題を呼んだ久々のウェスタンは、とんでもない力を秘めていた。
はっきり言って、ハリウッドがスターに頼って今頃西部劇なんて、CGの新規開拓でもやるのか?とバカにして見始めたら、あらあら、冒頭からエンニオ節を意識した音楽……。
いきなり馬小屋が焼かれて、お、銃撃戦で幕開けか?と思うがC・ベイル演じるダンは銃を抜くわけでもない。
何やらこの主人公はワケありか。
ラッセル・クロウ演じるお尋ね者のベンは、早打ちの悪党。だが、女を誘惑したり、絵を描いたり、保安官すら恐れない、魅力的なキャラクターを演じ、家族から馬鹿にされているダンの描き方とは真逆のヒーロー。
ところが、ひょんな事から借金返済を目的で、ベンをユタの監獄行き列車に乗せるための護送をする。ええい、ストーリーはどうでもいい(おいおい…)、家族からも、特に長男から明らかに軽蔑されているダンは、当初金目当てだった護送に、自分の人生を賭けて全うしようとする。そこには、何一つ自慢する物がない自分に対しての怒りや悲しみがあったからだ。
いつでも逃げ出せるようなベンも、護送されていく間に、偽善者が一番嫌いだ、と言いながらも、やがて心が、いや、とても深いところで魂同士が共鳴してしまう。

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もうココからはネタバレ!!!!

ダンに手柄を立てさせたく思ったのか、ベンは自ら列車へとダンを導く。仲間が助けに来ていると言うのに……。
だが、駅に到着した列車にベンを乗せた次の瞬間、ベンを助けようとした仲間に無惨に撃たれてしまう。それを見た瞬間、助けに来た仲間をベンが皆殺しにしてしまう……。
一見、何故?と思える行動も、自らの銃のグリップに刻まれた十字架を見た時、きっとベンは悪が嫌になったんだと思う。直前に心を通わせたダンを、目の前で簡単に殺されて……。
一部始終を見ていた息子は、父親の元へ駆け寄りこう言う。
「凄いよお父さん!奴を列車に乗せるなんて!尊敬するよ!」
もう涙涙である。そして銃を抜くと立ち上がり、ベンに向かって構える。
が、父親ダンの正義感溢れる意思を継ぐように、そっと銃を収める……。また涙涙……。
それを見たベンは、自らユタ行きの列車にに飛び乗り、牢屋のような場所へ座り込む。走り出す列車の中の牢屋の囲いが、十字架のようなクロス模様になり、ベンの背後に浮かび上がる……。見事なエンディング。
この映画はC・ベイルが絶妙な演技を見せる。そして、一見普通の悪党を演じているかのようなR・クロウも、実はよく見ると、その立ち振る舞いは、長年西部劇に馴れ親しんで来たオールド・ファンが見れば、納得の演技だ。
二人とも上手い!このリメイク版は当たりだ!(久々…)
アクションも一切CGを使わないで、スタントマン大活躍の本格的なものだった。
結局、いい西部劇と言うものは、男同士の暑い魂のぶつかり合い、意地と意地の張り合いなのだ。
面白い映画だった。西部劇ファンの人は必見ですよ。


2009-12-21

オールタイム・ベスト【映画遺産200】~外国映画篇

こんばんは、ロッカリアです。
年末が近づいてくると、各雑誌などでその年を振り返るベスト10などが、色んなジャンルで発表されますが、キネマ旬報が編集した洋画篇のムックです。
ま、内容は後世に伝えるべき映画遺産と呼べる作品を200本ほど選んで解説してあって、特にこの手の本で珍しい内容とは言いがたいですが、つい買ってしまうのが、映画ファンの本能……。

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この本の中でも言っているように、チョイスされた映画は、選ぶ側の年代が大きくかかわって来る、と言うこと。
つまり、その人が一番多感な時期に観た映画が、特にベスト10を選別する時などには大きく影響している、と言える。
これは仕方があるまい。ある意味、そりゃそうじゃ。
映画に順番を付ける、と言うことには当然賛否両論があるけど、これを見て、そうだ、年末はこの映画を観よう!ぐらいの気持ちでこの本を見ましょう。
出来れば、実物大のチラシでこんな企画をしてくれたらいいのになぁ……。

残念なニュースを。
どうやら、ホラーファンの間で期待されていた『ようこそゾンビランドへ』が3月にはDVDストレート!つまり未公開が決定しました。
おまけに、全米大ヒットした、メメントのコメディ・ヴァージョンとも言える話題作、『ハングオーバー』も。
二日酔いで無くした記憶を取り戻そうとするドタバタで期待していたのに、やはりコメディ映画には風当たりが強いようです。
配給会社さん、なんか違うって気がするんですけど……、ね……。

2009-12-19

『ストレンジ・デイズ~1999年12月31日』 光陰矢のごとし…

こんばんは、ロッカリアです。
SF超大作『アバター』が控えてるキャメロンの製作(脚本も)したSF。公開当時はサイバー・パンクと言われてました。
監督は、先日の12月14日『ハート・ロッカー』で、映画批評家協会(NYFCC)作品賞と監督賞の2冠に輝いたキャスリン・ビグロー監督です。
製作が1995年だから、5年後の世紀末を題材に、他人の体験をディスク(MD)に記憶して、それを疑似体験できる装置、スクイッドを物語の中心に据えて、あるディスクに隠された謎と真犯人を突き止めようとする、SFミステリーと言えます。
主演はレイフ・ファインズで、少し女々しい役柄を見事に演じている一方で、この作品には欠かせない存在が黒人女優でも特に私がお気に入りのアンジェラ・バセットです。
彼女はVIP専用のリムジン・ドライバー兼ボディ・ガードの役柄と、とても女性っぽい役の二面性を演じ、見た人の心を捉える演技を披露してます。

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1999年の年末と言えば、2000年問題(Y2K)に揺れたり、ノストラダムスの予言が外れた論争がTVで取り上げられるなどしていた事を思い出します。
映画の中でも、新世紀には黒人が世界を支配する、と言った、当時は単なるメタファーと思われていた事が、実際にオバマ大統領の誕生など、支配とまでは行きませんが台頭している事は事実です。
サイバー・パンクと言われ、スクイッドと言う疑似体験装置なるものを作り出したアイデアも、今から見るとMDと言うのも古いし(今ならSDかスティックだろ…)、再生された映像も、今で言うP.O.V映像で工夫がない。このシーンを3Dで撮り直せたら、面白い映像になったことでしょう。
時代を先取りする映画の最もアキレス腱は、時代が設定された年を追い越した時に、古く感じてしまうと言う事があるんじゃないでしょうか。
そう思うと『2001年宇宙の旅』や『ブレードランナー』は凄過ぎ!ですよね。
この映画を見て思い出すのが、一連のサイバーパンクと呼ばれた作品たち。
『JM』、これは原作をミックスしすぎたのが致命傷で、イルカの登場が原作と一致しなかった。
『ヴァーチャル・ウォー』これもCGセックスが話題になったが、何の事無い、アニメーション映像に近いのでガックリ。
『ヴァーチュオ・シティ』、『13F』、『サイバーネット』、『ニルヴァーナ』とサイバーパンク映画が流行ったものの、実際の映像は小説を越える事ができませんでした。
ただ、『サイバーネット』や『ニルヴァーナ』は作品としてはかなり面白い部類に入るので、アンジェリーナ・ジョリーの若い頃を見たい人は必見です。
残念な事に、『ニルヴァーナ』もそうですがこの『ストレンジ・デイ』も廃盤&ノー・レンタルなので、中古市場かオークションでしか現在は入手できません。

メーカーさん、頑張りましょう。本当に面白い映画、まだまだDVDやBDになっていませんよ~!


2009-12-16

『ジュリー&ジュリア』 魔法のおなべに入っていたもの…

こんばんは、ロッカリアです。
先週の土曜日に、初日の初回に見に行って来ました。
上映時間となって入場する際に封筒が渡されて、何だろう?と思って中を開けて見ると、おなべが……。
と言っても、よく見ると【ル・クルーゼ】のミニチュアのマグネットでした。
おそらく、前売り特典に付けるはずが、余ったんだろう……、よくある事だ。

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この映画は、ブロガーにとっては興味が尽きない映画だ。ブログをメインにした初めての映画ではないだろうか。
特に料理ブログをしている人ならなおさら。
物語は、50年前に起こった事と、現代とが交差するように進行する。
 ジュリア・チャイルド(メリル・スとリーブ)の料理本『Mastering The art of French Cooking』に載っている五百以上のレシピを全部作って、ブログに載せようと考えたジュリー(エイミー・アダムス)は、自分で期限を一年と決める。
そして、次から次へとレシピを再現していくのだが、途中でダンナとケンかをしたり、料理の不出来にストレスが溜まってしまう。
一方50年前のジュリアは、フランスのパリで料理教室に通い、やがて実力を付けて行くが、外交官の夫の転勤やスパイ疑惑でヨーロッパ各地を転々としながらも、700ページにも及ぶ料理本を完成させる。しかし、中々出版社が見つからない……。(結局はジュリーがジュリアのレシピ本を見ながら作っているのだから、出版社は当然見つかる)
ブログをはじめたジュリアは、誰も自分のブログを見ていないんじゃないか?とか、ブログが生活の中心になってきて、夫に辛く当たったり、ブログに載せる料理が失敗したと、仕事を休んでまで料理に没頭してしまう。本末転倒である。この辺までは、『ユー・ガット・メール』のノーラ・エフロン監督らしだが出ていて、思っていた通りの面白い展開と、美味しい料理のオンパレードに、もうすぐお昼だなぁ~、何食べようかな~、などと頭の中をチキンやラーメンが飛んでは消えて行く。(監督の思うつぼである…)
しかし、だ。
この映画は後半になるとトーンが少しづつ暗くなり始める。と言うのは、この映画は実話ベースである。そして決定的な事がラストに起こって、あれだけ楽しかったお料理映画が、冷めてしまう……。

実在のジュリアは、このブログが話題になって、昔からの夢であった作家になるが(この原作も勿論ジュリア自身の執筆によるもの)、料理は結局アマチュアだ、他人のネタで有名になった等々、ネット上でもかなり叩かれる羽目になってしまう。おそらくは、ジュリアの言葉がとどめになったのでは……と推測するのは簡単な事だ。(原作が読みたくなる。評判はかなり良いみたいだし…)
とは言うものの、ル・クルーゼのおなべは、まるで魔法のなべのように、美味しそうな料理を次から次へと紡ぎ出す。
とても狭いキッチンだが、じつはそこから世界に通じる扉があることを後半知り、元気になっていく姿や、昨今LA、ボストン、ニューヨークの映画批評家協会の主演女優賞を総なめにしたメリルの成りきり演技は健在だ。
この映画を見ていて、とても心配になったのは、食材に掛かったお金、だと言う事は、見た人なら納得してくれるだろう。
色々な意味において、ブロガーには興味が尽きない映画ではある。
そうそう、魔法のおなべに入っていた、料理が美味しくなる調味料は、愛情と言うスパイスである事は言うまでもない。
ボナペティ!

2009-12-15

『チャイナタウン』 ブログDEロードショー VOL.5

こんばんは、ロッカリアです。
今回の『チャイナタウン』はいかがでしたか?結構悪戦苦闘されたんじゃないでしょうか。

「この映画は傑作だ!」と思った人や、「ん~ちょっと苦手かも…」と言う声があっちこっちから聞こえてきそうです。私も最初にこの映画を見た時、そしてサントラを聞いた時、なんて陰鬱で暗い曲なんだろうと感じました。
いつも、映画を解説すると言うのは得意じゃないけど、今回は自分のチョイスした映画なので、私なりの視点で記事を書きたいと思います。日曜日の午後9時ちょうどから、昔の日曜洋画劇場を観るようにして鑑賞しました。

『ブレードランナー』が公開された時、監督のリドリー・スコットは、会社の命令で不本意ながらハリソン・フォードのナレーションを挿入しました。
数年後、そのナレーションを排除して、スコット監督が当初目指していたオリジナルに近いディレクターズ・カット版を見た時、目から鱗の感動でした。
と言うのも、マンガと小説の違いを一番明確に表しているのが、感情表現なんです。
小説では、この時こんな事を考えていた……、と言った表現をすればその人の心理状態がすぐに理解できる。
一方マンガでこれをしようとすると、絵の表現はかなり抽象画的になってしまうだろうし、吹き出しや解説と言う字にしてしまうと、絵で表現の出来ないヘタクソなマンガ家と言う事になる。
また、ハードボイルド小説と言うのには定石みたいなものがあって、これは探偵役の一人称で語られる事が多く、その方がカッコがいいし、感情移入しやすい。
SFのハードボイルドと表される事の多い『ブレードランナー』だが、あの濃密な絵にナレーションは全く逆効果だった。
絵を見ていれば、ハリソンの解説めいたナレーションは不必要であることが分かる。
で、この『チャイナタウン』は、ミステリーを扱うハードボイルドである。
しかし、説明っぽいナレーションは一切無い。ところが……、だ。

話を変えよう。
あなたはどの目線でこの映画を見ましたか?と言う質問を投げかけると、もちろん主人公の目線が一番多いに決まってる。
ところが、経験値や過去に体験してきた事、或いは知識不足や認識不足、生活環境と言った要素が映画を見る時にはかなり重要な割合を占めていると言える。
分かっていれば笑えるが、知らないと何が面白いのか分からない、と言った事はお笑いを見ていても感じるだろう。
同じ主人公の目線でありながら、感じることは人それぞれだ。

しかも、見ている我々は、主人公から時には監督目線、ヒロイン目線、被害者目線、母親父親目線、或いは観客目線と無意識のうちに移行しては帰還する、と言う行為を繰り返している。
これが、一つの映画を多数で見た時の、千差万別の感想、となって現れてくる原因だ。(と思う…)

この映画はハードボイルドである。
そこで今回は、徹底して主人公のジェイク(ジャック・ニコルソン)目線で『チャイナタウン』を見よう、と思った。
その結果……。

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ジェイクのセリフとセリフの間、或いは黙々と行動をしている時に、無いはずのナレーションが聞こえた。
小説を読んでいる時、行間にあるはずの無い絵が浮かんでくる、その逆のパターンだと思ってもらえると理解して頂けるだろうか。
モーレイ夫人がジェイクに浮気の調査を依頼しにやって来る。
最初は「愛しているなら忘れなさい」と言う。
しかし夫人がそれでも依頼すると、ニヤリともせずに事務手続きに移行する、が、この時ジェイクの胸の内はこうだ。
「俺は優しさを込めて、素人の探偵が言うように忠告したが、夫人の答えは分かっていた…」
と言うように、場面々でそんなナレーションが聴こえてくる。
同様に、ジェイクとイブリン(フェイ・ダナウェイ)はいつ恋に落ちたのか?
みなさんはいつだと思いましたか?
出会いのシーン?
鼻の手当てをしていてキスするシーン?
或いは最後まで恋などしていなかった?
私は断言します。
ジェイクになりきって見ていると、レストランから出て、裏の駐車場でイブリンが何かを隠していると、ジェイクが一方的に怒って大声を上げ、車で去っていくシーン。(イラストの場面です!←落書きだろ…)
この時に間違いない。(だからどうなのよ…)
そう辿っていくと、イブリンの衝撃告白の時、イブリンよりも辛いものが、ジェイクと見ている我の胸中に飛来する。
そして、ラスト。

一番想像したくない姿を、一番見たくない姿を、ジェイクは見てしまう……。
「怠け者の街だ……」
「この街は人の心を食い荒らす、やがて無関心な人々が増える」(想像)
「この街は、怠け者の街だ……」(想像)
「だから俺はこの街の警官を辞めたと言うのに…。またこの街に立っている…」(想像)

仲間がジェイクを連れて帰ろうとする時、ジェイクは何か言おうとする。
おそらくは、「お前達はみんな腐っている!」と。
しかし、それを静止してこう呟く。
「ジェイク忘れろ。ここはチャイナタウンだ…」胸に沁みる言葉だ。

そしてエンディングには、ジェリー・ゴールドスミスの曲が流れるが、思い出して欲しい。そして気付いて欲しい。
オープニングで流れるには相応しくないと思った陰鬱な曲が、なんと、ジェイクの心を表現していたのだと言う事に……。
ん~、少し解説と言うよりは想像のし過ぎかな……。
この映画についてはもっと言いたい事がある。しかしながら、体力には限界と言うものがあって、昨日もイラスト(落書きだろ…)を夜中の3時まで描いて、そして今日は仕事が終わって9時に帰宅、そして今これを書いてるんだよ~。辛いんだよ~、しんどいんだよ~……。
おっと、私の心のナレーションを書いてしまった……。
ここは、潔く。
皆さん、今回は私のような人間の選択した映画に付き合って頂き、ありがとうございました。
娯楽だけでは終わらない映画もたまにはいいものでしょ。え?見終わってからもスカッとしなかったですって?
忘れてください。
この映画は『チャイナタウン』なんですから……。

P.S(ネタバレ)

「緑色した目の中に黒い傷がある……」
「生まれつきなの……」
そして、銃弾が後頭部から左目に抜けて……。何とも言えない、銃弾が心に突き刺すようなシーンだったなぁ……。

2009-12-11

『モール☆コップ』 ポリス・アカデミー出身のギャグは健在?

『ヒンデンブルグ』と 『バニシング・ポイント~コレクターズ・エディション』を上の ”リトルショップ ”に追加しました。カテゴリーはDVDで名画座です。

こんばんは、ロッカリアです。
全米では2週続けて1位を獲得した映画ですが、日本では未公開、DVDストレートになってしまったコメディを紹介します。
日本でのコメディの地位はやっぱり低いのか、或いはバイヤーに目利きがないのか、はたまた観客に受け入れられないのか、¥1800でコメディは高い、と感じる料金制度のせいか、とにかく日本ではウケないのがこう言った小粒のコメディ映画なのだ。
私が思うに、料金制度が結構関係あるような気が……。一律¥1000ぐらいにすると、ひょっとして大ヒットする映画の質が変わるかも知れない、と思うのは私だけでしょうか……。
この映画、確かに設定や銀行強盗が何故スケボーやBMR(競技用のチャリンコ)を使用するのか、ただ広いから、移動手段に使った、では無理がある設定だとは思うし、最後の方でクラスメートが実は……、みたいな落ちにも安直過ぎると思う。
が…、である。
コメディ映画、さあ、私を笑わせてくれ!と思いながら見ている人がいるとしたら、それは損をしている見方だ。
コメディ映画は、さあ、笑うぞ!と思ってみるもんだと思います。
この違いは大きいですよ。

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ポリス・アカデミーで訓練を受けて、警察官になるのが夢のポール・ブラート(ケヴィン・ジェームス)だが、いつもいい所で糖分が不足して脱落してしまう。これは後の複線にもなっている。
ショッピング・モールで警備をしているポールだが、ウィッグ売り場の女性(キーア・オドネル)に恋をしたり、新入りにこの世界の厳しさを教えたり、仕事は真面目に(?)していた。そこに、銀行強盗の一味が立てこもり、ポールの憧れの女性も人質に。
誰もいなくなったショッピング・モールで、ポールはセグウェイを使って犯人達と対等するが……。
キッスやエディ・マネーの懐かしいロックや、ポールの彼女役はどう見てもゴールディ・ホーンにしか見えない、など楽しめる要素はいっぱいあって、最後まで楽しく見ました。
手放しで喜べるほどの傑作ではありませんが、こう言った小粒な作品も楽しいものです。
ホラー映画なら「さあ、絶叫するぞ!」
恋愛映画なら「さあ、恋をするぞ!」(オッサンが言うなっ、てか)
SF映画なら「よし、未知の世界へ!」
そしてコメディなら「さあ、笑うぞ!」
是非試してみましょう。
映画の見方なんて自由だもんね!




2009-12-10

『続・お買いもの中毒な私!』の元に届いた物…

こんばんは、ロッカリアです。
昨日の続きで、アマゾンから送られてきたもの、それは以前に予約していたパニック映画の名作にして超大作、
『タワーリング・インフェルノ』です。

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しかも、DVDはすでに持っていたので、ブルーレイをゲットしました。
年末にかけてゆっくり観ようと思います。楽しみがまた一つ増えたか……(その分お小遣いが減ったでしょ!)

2009-12-09

『お買いもの中毒な私!』って、わたし…?

こんばんは、ロッカリアです。
んん~、これは身につまされる映画だ。
ラブコメ作品だが、どちらかと言えばコメディ寄りの作品と言えます。ただ、本当にお買い物中毒な人にとっては笑えませんよ。

ショーウィンドウの向こうには、夢の世界が広がっていると信じているレベッカは、クレジット・カードによる支払いが滞納。フツーのOLでは返済不能な状態。
ひょうんな事から金融関係の雑誌社に就職。そこの上司と恋愛関係に落ちるのだが、偶然書いた記事が読者に受けて、レベッカはグリーン・スカーフの女性、として人気が出るが……。

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ま、ストーリーは平凡ながら、適度に笑わせてくれるから最後まで飽きさせないで見せてくれますが、コレクターを自負している私にとっては、他人事ではありません。(あんなにひどくはありません…)
ショーウィンドウ越しに見る映画グッズはどれも輝いて見えるし、心の制止用ブレーキは10万キロ以上走った車のように甘いし……。
気が付けば手にビニールの袋を持っていた……、なんて事が……。
これからは、反省して、あんまりモノを増やさない努力が必要です。
よ~し、無駄使いは禁物、これからは締めて行くぞ!(オーッ!)
え?アマゾンから何か来てる?
あ、忘れてた!待ちに待ったアレが到着してたんだね……。(ダメだこりゃ…)

アマゾンから来たアレって、気になるでしょ?
それは次回に!(引っ張る意味が分からん…)

2009-12-07

「バンブルビ~!」って、何でココに…

こんばんは、ロッカリアです。
昨日の日曜日、インテックス大阪に「大阪モーターショー」に行って来ました。
「東京」と違って、いたって質素な開催になった「大阪」で、あらまあ、こんな所にどうしてあなたが……。
そう、『トランスフォーマー』のバンブルビーと、マスタングが並んでいるではありませんか。
これは記念にシャッターを。

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車の写真は一枚も撮っていないのに、やっぱ映画狂の虫が騒ぐのは止められないんですよねぇ~。(そんな事より最近記事のアップ率が低下してるぞ!)
ほい……。

2009-12-04

映画通のブロガーの皆さん!【ブログDEロードショー】に参加しませんか?

こんばんは、ロッカリアです。
【ブログDEロードショー】と言う、全国の(或いは日本語が理解できる世界の)人と期間限定で同じ映画を見よう!そして、感想をコメントで言い合ったり、自身のブログに記事を書いたりして、盛り上がろうじゃありませんか、と言う企画です。
発案者は、「映画鑑賞の記録」のサイさんと、「シネマ・イラストレイテッド」のmardigrasさんのお二人です。
で、何故か今回はこの私に、12月度の作品を上げよ!との鬼教官(だ、誰?)からの指令を受けて、Xmasシーズンに全く関係のない作品を選出しました。(だって、Xmas限定だと作品がある程度決まってくるんですよねぇ…。←言い訳)



その作品名は……。

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そう、『チャイナタウン』です。
1937年のロサンジェルスが舞台。私立探偵のジェイク(ジャック・ニコルソン)は主に浮気の調査をしていたが、ある日、ミセス・モーレイと名乗るダム建設技師の妻が現れ、夫の浮気の調査を依頼した。
早速調査に乗り出したジェイクだったが、調査対象の夫が殺されてしまう。事件に深入りするなと暴行を受けたジェイクの前に、今度は本物のミセス・モーレイ(フェイ・ダナウェイ)が現れる。
謎が謎を呼び、依頼人と探偵、と言う一線を越え始めた二人に待っていた運命とは……。

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注目は、なんと言ってもフェイ・ダナウェイだ。
『俺たちに明日はない』でウォーレン・ビーティと。『コンドル』ではロバート・レッドフォードと。『華麗なる賭け』ではマックィーンと。『タワーリング・インフェルノ』ではポール・ニューマンと、これでもか、とトップ・スター達と共演して、腕を磨く彼女の演技は、ジャック・ニコルソンと言う性格俳優を前にしても一歩も引けをとらない。

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監督は最近もお騒がせのロマン・ポランスキー。そして音楽は、今やこの映画のサントラにはプレミアの金額が提示されていると言うジェリー・ゴールドスミス。
演出良し、音楽良し、俳優良し、脚本(アカデミー受賞)良し、舞台装置良しと、見応えある、極上のミステリーを一緒に見ようではありませんか。

開催日は、12月11日(金)~13日(日)の三日間限定です!

ラスト・シーンと共に、ジェリー・ゴールドスミスの音楽が、あなたの心にいつまでも響く事を祈って……。





2009-12-02

『黄金の七人』 本当は8人じゃないの?

マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』が早くもDVDとブルーレイで発売! 1月27日に決定です。限定ボックスセットは残念ながら予約の時点でSOL DOUT! 詳しい情報は上のリトルショップにて!(音楽のCD、DVD、BDのカテゴリ) 


こんばんは、ロッカリアです。(うわ~ん、遅くなったよ~)
今日の映画はこれ。オールドファンには懐かしい作品でしょ?
HDリマスター版での再発になったので、また買い直しましたよ。この映画、今見ても面白い!
そりゃあ、1965年に作られた作品だから、突っ込む所はあるものの、そんな事が全く気にならないほど面白い!
第一に、今見ると凄く脚本が凝ってる。二転三転するストーリーが、意外な結末へとなだれ込んで行く展開はお見事!
それにそれに、あのテーマ曲ですよ。一度聴いたら絶対耳について離れない、ジャズとスキャットを見事に組み合わせた曲は、今でもサントラ愛好家の宝物。ええ?忘れちゃった?まー大変。(後のお楽しみ!)

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後の『ホット・ロック』や『バンク・ジャック』、あるいは実際に起こった強盗事件を元にして作られた『バンク・ジョブ』(この実際に起こった事件の実行犯は、絶対この映画からヒントを得ている)などに多大な影響を与えた。

B級映画、特にマカロニ・ウェスタンの様な、わりとチープな作品か、あるいはヴィスコンティの様な芸術作品しか印象に残らないイタリア映画にあって、軌跡のような、極上のミステリーにして泥棒映画の傑作です。
教授と呼ばれる男は、今で言うならハイテク機材を導入してスイスの銀行から7トンと言う膨大な量の金塊を盗む計画を実行して、まんまと成功する。道路からトンネルを掘って金庫の底を破る手口や、水道管をダイバーの姿で進んで、行ったり、ガス管からのガス漏れ発生や、見回りの警官の職務質問や、金庫地下に仕掛けられたセンサー、予期せぬ出来事と、銀行を襲撃する前半だけでも山場の連続なのに、この映画は後半こそが面白い。
裏切りや、金塊の行方などが二転三転する見せ場は、テンポがよくて欠伸をするヒマも無い。
そう、45年以上も前に作られたと思えないほどテンポがいいんです。
でもね、たった一つだけどうしても昔から気になることが一つあるんです。
実際に銀行を襲う実行犯が6人。これに謎の美女(おそらくは教授の彼女…)と教授を足すと8人になる。
何だか、『11人いる!』みたいで(知らないか…)とーっても気になるんですよね。
謎の美女は別カウントなのかなぁ……。誰か知ってたら教えてね。
とにかく、今、見ても面白い映画。長い間忘れているそこの人、必見ですぞ!
それでは、一度聴いたら頭から離れないテーマ曲をどうぞ。絶対、明日一日はこのメロディーがリフレインするよ。




今宵、いい夢を……。


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